星の接近のたびに地球3個分の物質を食らう銀河中心のブラックホール

アメリカ、ハワイにあるパンスターズ(Pan-STARRS)望遠鏡で撮影された銀河「2MASX J02301709+2836050」。銀河中心のブラックホールは、超大質量ブラックホールとしては小さなものです。今回の研究は、イギリス、スウィフト衛星のチームのメンバーでもあるレスター大学のPhil Evans氏らによるものです。Credit: Niels Bohr Institute/Daniele Malesani
アメリカ、ハワイにあるパンスターズ(Pan-STARRS)望遠鏡で撮影された銀河「2MASX J02301709+2836050」。銀河中心のブラックホールは、超大質量ブラックホールとしては小さなものです。今回の研究は、イギリス、スウィフト衛星のチームのメンバーでもあるレスター大学のPhil Evans氏らによるものです。Credit: Niels Bohr Institute/Daniele Malesani

2022年6月22日、約5億光年の距離にある銀河の中心付近でのX線の増光(Swift J0230)を、NASA(アメリカ航空宇宙局)のスウィフト衛星がとらえました。追跡観測によりSwift J0230は、7〜10日間明るく輝いたのち突然消えるというプロセスを約25日ごとに繰り返すことが判明しました。

これまでにも同様の現象は2つのタイプが観測されていました。それらは増光の周期や、主に放射するのがX線か可視光かなどが異なるものでした。研究チームは、Swift J0230がそれら2つの中間の現象だと提案しています。

Swift J0230は、太陽の20万倍以上の質量のブラックホールの周りを、太陽程度の質量の星が楕円軌道で周回しており、星がブラックホールに接近するごとに地球3個分の質量の物質が潮汐破壊で剥ぎ取られ、ブラックホールに落ち込む際に約200万℃に加熱されてX線で輝いていると見られています。【1分で読む宇宙ニュース】

(参照)NASAUniversity of Leicester