木星探査機ジュノー 7月30日に衛星イオに接近へ

現在、木星を周回しながら観測を続けるNASA(アメリカ航空宇宙局)のジュノー探査機が、2023年7月30日に衛星イオに接近します。最接近距離は約2万2000kmで、ジュノー探査機としてはこれまでで最もイオに近づくことになります。ジュノー探査機がこれまで最もイオに接近したのは2023年5月16日で、その時は表面から約3万5500kmまで近づきました。そのときよりも1万km以上接近することになります。

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火山活動が活発なイオの表面

木星には「ガリレオ衛星」と呼ばれる4つの大きな衛星があります。イオはガリレオ衛星のうち、最も内側を公転する衛星です。太陽系の天体の中で、火山活動が最も活発な天体として知られています。巨大な木星や、ほかのガリレオ衛星の潮汐力により内部が加熱されて火山活動が起きています。

こちらの画像の上と右下は、2023年5月16日に接近した際にジュノー探査機がジュノーカムで撮影したイオの画像です。ガリレオ探査機(左下、1999年)とニュー・ホライズンズ探査機(中央下、2007年)の画像と比べると、イオのVolund領域で溶岩流が拡大しています。

なおガリレオ探査機は1995年12月から2003年9月まで、木星を周回しながら観測を行った探査機です。一方のニュー・ホライズンズ探査機は、冥王星を目指して航行中、木星を通過した際に衛星イオの画像を撮影しました。

2016年7月に木星へ到達したジュノー探査機のミッションは当初、2018年2月までの予定でした。その後2021年7月まで延長され、さらに2025年9月まで延長されて今に至っています。2023年7月31日から、再延長されたミッションの3年目がスタートします。

ジュノー探査機は今後もイオに接近することになっており、2023年12月30日、2024年2月3日のフライバイ時には、イオの表面から約1500kmまで接近する予定です。

Image Credit: Galileo: NASA/JPL/University of Arizona. New Horizons: NASA/JHUAPL/SWRI Juno. Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS. Image processing: Jason Perry (CC BY)

(参照)NASA