「スーパーアース」と「ミニネプチューン」が存在する系外惑星系を発見

TOI-2096系の想像図。Image Credit: Lionel J.Garcia
TOI-2096系の想像図。Image Credit: Lionel J.Garcia

ベルギー、リエージュ大学などの研究チームは、スーパーアースとミニネプチューンからなるとみられる惑星系を発見したと発表しました。

2つの太陽系外惑星は、地球から150光年離れたところにある赤色矮星TOI-2096を公転しています。TOI-2096 bとTOI-2096 cの2惑星は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽系外惑星探索衛星TESSで発見されました。TESSは、惑星が恒星の手前を横切ったときの明るさの変化を観測する衛星です。

「TESSミッションは、検出された惑星の性質を確認するために地上望遠鏡のサポートが必要です」と論文の筆頭著者のFrancisco J. Pozuelos氏は語ります。TESSでの発見後、研究チームは地上望遠鏡(主にリエージュ大学主導のTRAPPISTプロジェクトとSPECULOOSプロジェクトの望遠鏡)での追跡観測を行いました。

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スーパーアースとミニネプチューンが平均運動共鳴に近い状態で公転

データの分析などから、主星に近い惑星bは3.12日、主星から遠い惑星cは6.39日で公転しており、平均運動共鳴に近い関係にあることがわかりました。惑星bの半径は地球の約1.2倍の「スーパーアース」です。ほぼ岩石で構成され、薄い大気で覆われているとみられています。一方、惑星cは地球の約1.9倍(海王星の55%)の半径をもつ「ミニネプチューン」です。岩石または氷の核のまわりを水素あるいは水蒸気に富んだ大気が覆う、太陽系の天王星や海王星のような惑星です。

共著者のMathilde Timmermans氏によれば、地球の1.5〜2.5倍の半径をもつ惑星の数は理論モデルの予測より少ないことから、今回の発見は非常に重要だとのことです。「スーパーアースとミニネプチューンの形成は今日もいまだ謎のままです。それを説明しようとする形成モデルもありますが、観測と完全に一致するものはありません。TOI-2096系は、これらの惑星系がどのように形成されたのかを理解するために、私たちが探し求めていた惑星系かもしれません」

「またこの惑星系は、主星に対する相対的な惑星の大きさや、主星の明るさのおかげで、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で大気を詳細に研究するのに最も適した候補の1つだわかりました。他の大学などと連携し、迅速に観測を実現したいと考えています。これらの研究は大気の存在を確認するのに役立ち、それらの惑星の形成メカニズムに関する手がかりを与えてくれます」

(参照)Université de Liège