2023年4月14日に打ち上げられた木星氷探査計画「JUICE」。打ち上げ後、観測機器の展開などが行われる中、木星の氷衛星の地下構造を探査するための観測装置(レーダーサウンダ)「RIME」のアンテナ(長さ16m)が、作業開始から3週間以上にわたり展開できない状態になっていました。
外れきっていない小さなピンがあるとみられ、スラスターを噴射して探査機を揺らしたり、太陽光で温めたりするなどが試みられてきました。しかしRIMEアンテナが動く気配はみられたものの、完全には解放されていませんでした。
5月12日、管制チームはブラケット(取り付け具)の「NEA(non-explosive actuator、非火工品アクチュエータ)」と呼ばれるデバイスを作動させてRIMEアンテナを揺らしました。この衝撃でピンが数mm動き、アンテナが展開させることができたとのことです。
ただこの段階ではアンテナはまだ完全には展開していませんでした。ブラケットの別のアクチュエータを作動させたのちに、アンテナが完全に展開したことが確認されました。
こちらはRIMEを含む観測装置の位置を示したものです。
(参考記事)木星氷衛星探査計画「JUICE」 打ち上げ後の予定は? 何を探査する?
(参照)ESA