ウェッブ望遠鏡が中間赤外線で撮った棒渦巻銀河NGC 1433

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がMIRI(中間赤外線装置)を使い中間赤外線でとらえた棒渦巻銀河NGC 1433。銀河のガスや塵が映し出されています。「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプロジェクトの一環で撮影された画像です。

NGC 1433の渦状腕には、非常に若い星がエネルギーを放出し、ときにはガスや塵などの星間物質を吹き飛ばしている形跡が見られます。形成中の星からの光を吸収したガスや塵が赤外線を放出するため、可視光では暗くぼんやりと見えていた領域が、ウェッブ望遠鏡の赤外線画像では明るく見えます。

銀河の中央には、二重リング構造をした明るい中心部が映っています。この二重リングの正体は、しっかりと巻き付いた渦状腕です。

NGC 1433は、とけい座の方向、4600万光年以上の距離にあります。「セイファート銀河」に分類される銀河で、明るく活動的な中心核をもっています。MIRIの画像におけるNGC 1433の明るさと塵の少なさは、別の銀河との衝突や合体を示唆している可能性があります。

Credits
SCIENCE: NASA, ESA, CSA, Janice Lee (NOIRLab)
IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI)

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb