2023年の月の満ち欠けや距離、秤動など1年分を可視化して再現!

この映像は、2023年1月1日から12月31日までの月の満ち欠けを示したものです。1時間ごとの月の様子を示す画像をつなげて動画にしたもので、NASA's Scientific Visualization Studioから公開されました。

この画像は映像の1場面で、2023年で最初の満月を迎える1月7日の8時ごろ(日本時間)の月の様子です。

映像に映る月は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査機ルナー・リコネッサンス・オービターのレーザー高度計(LOLA)とカメラ(LROC)のデータを元に作成されました。高度データも加味されているので、表面の凹凸に伴う陰影も再現されています。

月は常にほぼ同じ面を地球に向けています。ただしいつでも完全に同じ面を向けているわけではなく、微妙に異なる角度の面を地球に向けています。そのようなふらつきのことを「秤動」といいます。メインビジュアルの月は、その秤動も表現されています。

月面にはアポロ計画の時の着陸地や月の海の名前なども書かれています。昼夜境界付近ではクレーター名も表示されています。

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月の公転

左上は、北側からみた月の公転を表したものです。これを見ると月の満ち欠けが、太陽と地球、月の位置関係の変化によるものだということが分かります。月が地球の夜側の中央に来たときに満月になります。地球の右側にあるのは「おひつじ座」のマークで、3月の春分の時に太陽はこのマークの方向にあります。

左下の図で、黄色い円錐は太陽が天頂にくる地点(太陽直下点)を示しています。一方、青い印は地球が天頂、つまり真上にくる地点を示しています。この青い印はまた、地球から見たときに月の円盤のちょうど中央に当たります。水色の円は赤道と子午線です。赤道や子午線に対して、青い印が上下左右に動きます。これは月の秤動を示しています。

月の背景にある直線は、地球と月の距離を示したものです。左に地球が固定されており、右側の月が時間と共に左右に動きます(地球に近づいたり遠ざかったりします)。地球と月の大きさや距離は縮尺があっています。地球からの距離の変化に伴い、メインビジュアルの月の見かけの直径も時間とともに変わっていきます。

NASA's Scientific Visualization Studioのウェブページでは、日付を入力するとその日の月の満ち欠けの様子を見ることができます。冒頭の映像の各フレームを見ることもできます。

2023年の満月や新月のカレンダーや、2023年に現れる満月の見た目の違いについては「2023年(令和5年)の満月と新月はいつ? 最も大きく見える満月は?」をご覧ください。

Video credit: NASA’s Goddard Space Flight Center
Data visualization by Ernie Wright (USRA)
Producer & Editor - David Ladd (AIMM)

(参照)NASA's Scientific Visualization Studio