星の誕生と死の現場 渦巻銀河NGC 2403

この画像に映っているのは渦巻銀河NGC 2403です。NGC 2403は、きりん座の方向、980万光年ほどの距離にあります。アメリカ、キットピーク国立天文台の口径4mメイヨール望遠鏡で撮影された画像です。

銀河全体に見られる赤く輝く部分は電離水素ガスの雲(HII領域として知られています)で、そこでは若くて高温の星が誕生しています。星が形成される過程で、星の周辺の水素ガスが電離して赤く輝いています。

NGC 2403では一方で、2000年以降で最も明るく最も近くで観測された星の死、超新星SN 2004djが発生した場所でもあります。2004年にSN 2004djが発生した領域は、超新星爆発が発生したときだけでなく爆発の前後も含めて観測されており、爆発の影響を時系列で知ることができました。

星の形成や進化は、人間の一生と比べてはるかに長い時間スケールで進行します。そのため星の一生を同じ星で観察することはできません。星の一生を知るには、さまざまな進化段階の星を観測し、それらをパズルのようにつなぎ合わせる必要があります。

画像はNSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2022年5月25日にリリースされた「Images of the Week」です。

Credit:
KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/M. T. Patterson (New Mexico State University)
Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab