太陽に最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座プロキシマ)で、3つ目の惑星を発見したとの発表がありました。プロキシマ・ケンタウリは太陽から4.2光年の距離にある赤色矮星です。
プロキシマ・ケンタウリで新たに発見された系外惑星「プロキシマd」は、恒星から約400万kmの距離のところをわずか5日ほどで周回しています。その距離は、太陽〜水星間の距離(約5800万km)の10分の1以下という非常に近い距離に相当します。質量は地球の約4分の1で、視線速度法を用いて発見された系外惑星の中では、これまでで最も軽い惑星です。視線速度法とは「ドップラー法」とも呼ばれ、公転する惑星の重力により生じる恒星のわずかなふらつきを検出する方法です。
プロキシマ・ケンタウリでは、これまで2つの惑星が発見されています。プロキシマbは地球に匹敵する質量をもち、約11日周期で公転しています。もう一つのプロキシマcは5年周期で公転する惑星です。冒頭の画像はプロキシマdの想像図で、プロキシマb、cも描かれています。
プロキシマbは、南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)ラ・シヤ天文台の3.6m望遠鏡に設置された「HARPS」という分光器を用いて2016年に発見されました。2020年、より精度の高い観測装置「ESPRESSO」を用いた観測でその発見が確認されました(参考記事:最新装置で系外惑星プロキシマbの質量、公転周期を精密測定)。その際、5日周期の天体に対応するシグナルが発見されていました。ESPRESSOを使ったその後の追跡観測によって、そのシグナルが惑星(プロキシマd)であることが確認されたのです。
Image Credit: ESO/L. Calçada
(参照)ESO