電波でみえた、さんかく座銀河M33の低温ガス雲

画像右側に映っているのは、「さんかく座銀河」とも呼ばれる渦巻銀河M33です。オーストラリアのサイディングスプリング天文台にあるUKシュミット望遠鏡の光学画像に、VLA(Very Large Array)でとらえた電波画像を重ねたものです。

M33は、さんかく座の方向、約300万光年の距離にあり、私たちの天の川銀河やアンドロメダ銀河とともに「局部銀河群」とよばれる銀河の集団を作っています。大きな銀河としてはアンドロメダ銀河に次いで、地球から2番目に近い銀河です。

光学画像には、銀河を構成する星々や、高温の水素ガスからなる星形成領域などが映し出されています。一方、電波画像(青)には、銀河内の低温ガスが写っています。この画像のように、光学と電波のデータを組み合わせることで、銀河内の星形成の様子を詳しく知ることができます。

画像は2021年9月4日に、「Image of the Week(今週の1枚)」としてNRAO(アメリカ国立電波天文台)のウェブページに掲載されました。

なおM33については、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLTサーベイ望遠鏡(VST)で撮影された詳細画像をアストロピクスで紹介したことがあります。あわせてご覧ください。

Image Credit: B. Saxton, NRAO/AUI/NSF using data provided by T. Rector, NOAO/AURA/NSF

(参照)NRAO