ハッブルがとらえたタランチュラ星雲の「かじき座30」 〜 30 Years, 30 Images #22(2012年) | アストロピクス

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ハッブルがとらえたタランチュラ星雲の「かじき座30」 〜 30 Years, 30 Images #22(2012年)

1990年4月24日に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、2020年4月で30周年を迎えます。打ち上げ30周年に向けてNASA(アメリカ航空宇宙局)では、「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。

冒頭の画像はその22枚目のもの(2012年リリース)で、大マゼラン銀河のタランチュラ星雲にある「かじき座30」が映っています。かじき座30は、天の川銀河の近くにある中で最大級の星形成領域です。

画像の幅は650光年ほど。生まれたばかりの星から、まもなく超新星爆発を起こしそうな星まで、さまざまな段階の星が存在しています。また高速自転する星や、非常に高速で移動する「逃走星」と呼ばれる星なども含まれています。

画像中央左側の最も明るい領域は若い星団NGC 2070。NGC 2070は、年齢が200万〜300万歳の若い星およそ50万個からなる巨大な星団です。星団の中心部「RMC 136(R136)」には、太陽の100倍以上の質量を持つ星も含まれています。巨大な星から放たれる大量の紫外線が、周囲に空洞を作り出しています。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)で得られた画像と、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡のデータを組み合わせて作られました。

Image Credit: NASA, ESA, D. Lennon and E. Sabbi (ESA/STScI), J. Anderson, S. E. de Mink, R. van der Marel, T. Sohn, and N. Walborn (STScI), N. Bastian (Excellence Cluster, Munich), L. Bedin (INAF, Padua), E. Bressert (ESO), P. Crowther (University of Sheffield), A. de Koter (University of Amsterdam), C. Evans (UKATC/STFC, Edinburgh), A. Herrero (IAC, Tenerife), N. Langer (AifA, Bonn), I. Platais (JHU), and H. Sana (University of Amsterdam)

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49577469242/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/media/images/2012/01/2942-Image.html