世界初! 「こうのとり」とISSの間で無線LANによる動画の伝送に成功

Image Credit: JAXA/NASA

2020年5月21日(日本時間、以下同じ)に打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機は、26日にISS(国際宇宙ステーション)へドッキングしました。上の画像は、ISSに接近しつつある「こうのとり」が撮影したISSです。

「こうのとり」がISSに接近中、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「WLD(Wireless LAN Demonstration、ワイルド)」という実証実験が行われていました。これは「こうのとり」で撮影した映像を、無線LANを使ってISSにリアルタイムで伝送する実験です。

実験はみごと成功。「こうのとり」とISSのような宇宙機どうしの間で無線LANによる伝送が成功したのは世界で初めてのことです。

この動画では、ISSに接近中の「こうのとり」から撮影されたISSの映像が、ISS日本実験棟「きぼう」から撮影した「こうのとり」の映像とともに紹介されています。

当初の予定ではISSの下方250m付近から無線LAN通信を確立することになっていました。実際の実験ではそれより早い下方600m付近から通信が確立し、その後およそ4時間にわたって、「こうのとり」からISSに撮影した映像を伝送し続けました。ISSの下方30m付近では、JAXA側からNASA側のシステムへの切り替えも行われました。

上の動画では、ISSの下方600m付近から、「こうのとり」がISSにキャプチャされるまでがまとめられています。

なお冒頭の画像はISS下方100m付近の「こうのとり」から撮影されたもので、右下に見えるのが「きぼう」です。「きぼう」の上側に見えるハーモニー・モジュールに「こうのとり」はドッキングしました。ちなみに後日、スペースX社のクルー・ドラゴンがドッキングしたのもハーモニー・モジュールです。

「こうのとり」の運用は今回の9号機で終了します。JAXAでは2021年度の打ち上げを目指して、後継機HTV-Xの開発を進めています。将来のゲートウェイ(Gateway)ミッションに必要な自動ドッキング技術を獲得するため、HTV-X2号機でISSとの自動ドッキングの技術実証が検討されています。今回の伝送システムは、その自動ドッキング実験に必要なものです。

https://iss.jaxa.jp/htv/mission/htv-9/news/wld.html

アストロピクスではTwitterやFacebookでも更新情報をお届けしています