恒星のように誕生した惑星のような天体のペアを発見!

連星系Oph 98の想像図。奥がOph 98 A、手前がOph 98 Bです。Oph 98を生み出した分子雲に取り囲まれています。
連星系Oph 98の想像図。奥がOph 98 A、手前がOph 98 Bです。Oph 98を生み出した分子雲に取り囲まれています。

ベルン大学を中心とする国際的な研究チームによって、褐色矮星の不思議な連星系が発見されました。

へびつかい座の方向、450光年の距離にあるCFHTWIR-Oph 98(略してOph 98)は、質量の非常に小さな二つの天体Oph 98 AとOph 98 Bで構成されています。Oph 98 Aは木星の15倍の質量があります。これは褐色矮星と惑星を分ける境界線上の質量です。一方のOph 98 Bの質量は木星の8倍しかありません。二つの天体は太陽〜地球間の距離の200倍離れたところを互いに公転しています。その距離は太陽と冥王星の間の距離の約5倍に相当するほど遠く離れています。

Oph 98 Bはハッブル宇宙望遠鏡によって発見されました。その後、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)の過去の観測データや、UK赤外線望遠鏡(UKIRT)による新たな観測データなどから、Oph 98 AとOph 98 Bが時間とともに背景の星に対して一緒に動いていることが分かり、二つの天体が連星系をなしていることが確認されました。

一般的に惑星は、恒星のまわりにある原始惑星系円盤の中でガスや塵が集まって形成されます。Oph 98は誕生してから300万年しか経っていないとみられていますが、これは一般的に惑星形成に必要な時間よりはるかに短い時間です。

Oph 98 Aのような褐色矮星は、恒星と同じメカニズムで形成されます。一方のOph 98 Bは、惑星と呼ぶのにふさわしいサイズではありますが、ガスと塵の円盤から作られたと考えるのは難しいようです。Oph 98 A程度の質量の星ではOph 98 Bを形成できるほどの量の物質を持つ円盤を持っていたとは考えにくく、また褐色矮星の円盤の半径(太陽〜地球間の30〜100倍)と比べて連星間の距離が広いからです。

このことはOph 98 Aと同様に、Oph 98 Bも恒星と同じメカニズムで形成されたことを示しており、また惑星質量ほどの規模の小さな状態でも、連星系を形成するプロセスが働くことを示しているとのことです。

Image Credit: University of Bern, Illustration: Thibaut Roger

(参照)University of Bern