ボーイング社の新型有人宇宙船「スターライナー（CST-100 Starliner）」が、無人で帰還することになりました。2024年8月24日にNASA（アメリカ航空宇宙局）が発表しました。
スターライナーは、有人での初の飛行試験として、NASAのサニータ・ウィリアムズ（Sunita Williams）飛行士とバリー・ウィルモア （Barry Wilmore）飛行士の2人が搭乗して2024年6月5日に打ち上げられ、翌6日にISS（国際宇宙ステーション）へドッキングしていました。
ウィリアムズ、ウィルモア両飛行士は、1週間ほどISSに滞在したのち、スターライナーに搭乗して地球へ帰還する予定でした。しかしISSに接近中の6月6日にヘリウム漏れやスラスターの不具合発生が確認されたため、スターライナーの地球への帰還は延期されました。それ以来、データの収集や地上および宇宙でのテスト、NASAとボーイング社のチームによる分析や議論が続けられてきました。最終的に、NASAの有人宇宙飛行の安全性と性能要件が満たされていないと判断され、今回の決定に至りました。
ウィリアムズ、ウィルモア両飛行士はISSにとどまり、第71次／72次長期滞在のクルーの一員として仕事をしていくことになりました。9月に打ち上げられる予定のスペースXクルー9ミッションの飛行士とともに、2025年2月にスペースX社のクルードラゴン宇宙船で地球に帰還することになります。
クルー9ミッションは、9月24日以降に打ち上げ予定となっています。NASAとスペースXは、クルードラゴン宇宙船の座席の再構成や、ウィリアムズ、ウィルモア両飛行士のための追加の貨物や私物など積荷の調整などを進めているとのことです。
Image Credit: NASA
（参照）NASA
