この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジュノー探査機がとらえた木星の赤道域南側の画像です。2017年9月1日にフライバイ時に得られた画像をもとに作成されたものです。
ジュノー探査機の観測をもとに、木星大気中にある水の量に関する科学的成果が発表されました。それによると、木星の赤道域では、木星大気中の分子で水が占める割合は約0.25%だと推定されました。
こちらは2017年12月のフライバイ時に得られた画像をもとに作成されたもの。木星の赤道域が映し出されています。
木星大気中の水の量については、数十年間にわたり惑星科学者が知りたいと考えてきました。水の量は、木星形成の理論のほか、木星の気象や内部構造に関しても重要な意味をもっているからです。
1995年12月、ガリレオ探査機のプローブ(子探査機)が木星大気に降下し、データを送ってきました。ガリレオ・プローブのデータからは、事前の予想よりも10倍も少ない水しか見つかりませんでした。ただ地上望遠鏡の観測と組み合わせると、プローブは偶然にも非常に乾燥した場所に降下したことが分かりました。
ガリレオ・プローブの経験をふまえて、ジュノー探査機では広範囲にわたって水を測定することを目指しています。ジュノー探査機は53日間で木星を1周しており、53日ごとに木星に最接近するフライバイを行います。今回発表された成果は、ジュノーの最初から8回のフライバイで収集されたデータをもとにしたものです。
今回、木星の赤道域での水の量が、ガリレオ・プローブの測定値よりも大きいことが分かりました。ジュノーミッションの科学者であるカリフォルニア大学バークレー校のCheng Li氏は「赤道域は木星で非常に独特な場所であるため、他の地域での水の量と比較する必要があります」と述べています。
Image credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill