「宇宙はどれくらい暗いのか」を測定し見えない銀河の数を推定

ニュー・ホライズンズ探査機の想像図。

宇宙には銀河がどれくらいあるのでしょう。宇宙にはハッブル宇宙望遠鏡を使っても観測できないほど暗い銀河もたくさんあります。そのような見ることができない銀河は2兆個あると推定されていました。

暗すぎて観測できないような銀河からの光も含めて、かすかな光が宇宙を満たしています。そのような可視光を全て足し合わせたものを「宇宙可視光背景放射(COB、Cosmic Optical Background)」といいます。

COBの光は非常にかすかです。COBの観測は、ハッブル宇宙望遠鏡も含めて地球の近くからでは行うことができません。地球大気の外の宇宙は暗闇に思えるかもしれませんが、実はかなり明るいのです。太陽系内には細かな塵がたくさん浮遊しています。それら塵に太陽光が反射して「黄道光」と呼ばれる光が発生します。黄道光などの"光害"によってCOBの観測が難しいのです。

この黄道光を避けるために、NASA(アメリカ航空宇宙局)のニュー・ホライズンズ探査機のデータが使われました。ニュー・ホライズンズは2015年に冥王星、2019年に太陽系外縁天体アロコスに接近しながら観測を行い、現在は太陽系の外に向かって航行中の探査機です。ニュー・ホライズンズは、観測時には地球から60億km以上離れたところに位置しており、ハッブル宇宙望遠鏡が見ることができる宇宙よりも10倍も暗い宇宙を見ることができました。

ニュー・ホライズンズのカメラで測定したデータに基づき分析したところ、見えない銀河の数は2兆個ではなく数千億個にすぎないことが分かったとのことです。

また非常にかすかなCOBを検出するためには、天の川銀河の既知の星や星間塵に反射する光など多くの要因を取り除いて測定値を補正する必要があります。補正した結果、それでもまだ余分な光が残っていることが分かりました。

この残光の原因はよく分かっていません。比較的近い宇宙に検出できない矮小銀河がたくさんある可能性や、銀河を取り囲む恒星ハローが予想以上に明るい可能性などが考えられます。あるいは銀河に属していない星が宇宙全体に存在している可能性や、暗く遠方にある銀河が理論的に考えられているよりもたくさん存在している可能性もあります。暗い銀河が原因であれば、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測でそれらを検出できるだろうとのことです。

Image Credit: Joe Olmsted (STScI)

(参照)STScINOIRLab