星をむさぼり食う超巨大ブラックホール 地球に最も近い例を発見 | アストロピクス

星をむさぼり食う超巨大ブラックホール 地球に最も近い例を発見

左上はNGC 7392を潮汐破壊現象が起きた2015年に観測した画像。右上はTDE発生以前の2010〜11年にかけて行われた観測によるもの。左下はそれらの差分で、実際に検出されたTDEを示しています。右下は可視光で撮影したもの。研究はマサチューセッツ工科大学(MIT)カブリ天体物理学・宇宙研究所のChristos Panagiotou氏らによるものです。Credits: Courtesy of the researchers
左上はNGC 7392を潮汐破壊現象が起きた2015年に観測した画像。右上はTDE発生以前の2010〜11年にかけて行われた観測によるもの。左下はそれらの差分で、実際に検出されたTDEを示しています。右下は可視光で撮影したもの。研究はマサチューセッツ工科大学(MIT)カブリ天体物理学・宇宙研究所のChristos Panagiotou氏らによるものです。Credits: Courtesy of the researchers

超巨大ブラックホールに接近した星が潮汐力によって破壊される「潮汐破壊現象(TDE)」では、破壊された恒星の物質がブラックホールに落ち込む過程で銀河中心が明るくなります。これまで知られている約100のTDEは、ほとんどがX線と可視光で観測されてきました。

アメリカ、マサチューセッツ工科大学などの研究チームは、赤外線で明るく輝く新たなTDEを初めて発見しました。このTDEは約1億3700万光年先の銀河NGC 7392で観測されました。これまで発見された中で地球から最も近くで発生したTDEです。

今回発見されたTDEでは、X線や可視光が周囲にある大量の塵に遮られて見えていないと考えられています。それらの光を吸収して温められた塵から赤外線が放射されているのです。研究チームは、X線や可視光による調査では見落とされているTDEがあり、赤外線で観測することでより多くの現象が明らかになる可能性があると考えています。【1分で読む宇宙ニュース】

(参照)MIT News