4月24日、ソーラーセイルの技術実証を目的としたNASA(アメリカ航空宇宙局)のキューブサットが、ニュージーランドのマヒアにあるロケットラボ社の発射施設から、同社のエレクトロンロケットで打ち上げられました。
ソーラーセイルは太陽光の圧力を帆に受けて推進力を得る推進システムです。燃料が必要なく、また重い推進装置が不要となるため、より長期間かつ低コストのミッションが実現できる可能性があります。
今回打ち上げられたのは、NASAの「Advanced Composite Solar Sail System(ACS3)」と呼ばれる12ユニット(12U)のキューブサットです(1ユニットは10×10×10cm)。大きさはだいたい電子レンジ程度。
ソーラーセイルでは、帆をはるためのブーム(支柱)が必要となります。ナノアビオニクス社製の今回の衛星の主目的は、従来のブームよりも剛性が高く軽量な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で作られたブーム(支柱)を展開することです。打ち上げから約2か月間の初期飛行段階ののち、帆を展開することになっています。展開後のブームの長さは約7m、帆の広さは80平方mになります。
ソーラーセイルは帆の向きを変えることで軌道を調整します。ブームの展開後、宇宙船の軌道を変更するための実証試験を行い、将来のミッションに向けたデータ収集を行う予定です。
Image Credit: NASA/Aero Animation/Ben Schweighart