2つのリングを持つ惑星状星雲NGC 1514 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影 | アストロピクス

2つのリングを持つ惑星状星雲NGC 1514 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が中間赤外線で撮影したもので、惑星状星雲NGC 1514が映っています。NGC 1514は、おうし座の方向、地球から約1500光年の距離にあります。

惑星状星雲は、太陽と同じ程度の質量の星の最晩年の姿です。そのような星は年老いると膨らんで赤色巨星となり、やがて星の外層のガスが周囲へ放出されます。星の中心に残った星の「芯」からの紫外線によって、周囲に放出されたガスが電離して輝く天体が惑星状星雲です。星の芯はやがて白色矮星という高密度の天体になります。

ただ、この画像で特徴的なリング状の構造はガスではなく、非常に小さな塵粒子でできていると考えられています。このリングは赤外線のみで検出可能で、白色矮星からの紫外線が当たることでわずかに加熱され、ウェッブ望遠鏡のMIRI(中間赤外線装置)で検出されたとみられています。

NGC 1514の形は傾いた円筒形のように見えますが、端を切り落とした砂時計のような形をしている可能性が高いとみられています。NGC 1514の中心には連星があり(ウェッブ望遠鏡の画像では一つの星として映っています)、そのうちの一つの星が白色矮星になっています。2つの星の相互作用によって、このような形状が形成されたのかもしれません。

画像はウェッブ望遠鏡のウェブページなどで2025年4月14日に公開されました。

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Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Michael Ressler (NASA-JPL), Dave Jones (IAC)

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb