若返る渦巻銀河NGC 1386 アルマ望遠鏡などで撮影

この画像に映っているのは、エリダヌス座の方向、5300万光年の距離にある渦巻銀河NGC 1386です。画像は南米チリのESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台に設置されているVST(VLTサーベイ望遠鏡)と、アルマ望遠鏡のデータを組み合わせたものです。

こちらはVSTの画像です。中央付近に青いリングが見えています。NGC 1386はほとんどが古い恒星からなりますが、青いリングの部分には若い星の星団が密集しています。

ESOのVLT(超大型望遠鏡)とハッブル宇宙望遠鏡のデータを利用して、その青いリングを詳細に調べたところ、星団が全て400万年前にほぼ同時に形成されたことが示されました。主に古い星からなる銀河で、このような星形成が観測されたのは初めてとのことです。

この画像の右側は、冒頭の画像のNGC 1386の中心付近を拡大したものです。オレンジ色に見えているのはガス雲で、500万年ほど経つと星が形成されるとみられています。NGC 1386は古い星からなるにもかかわらず若返りを続けています。

画像は2024年10月28日に、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESO/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/A. Prieto et al./Fornax Deep Survey

(参照)ESO