衝突確率560分の1? 2046年のバレンタインデーに50mの小惑星が地球に接近

Eyes on Asteroids(NASA)より
Eyes on Asteroids(NASA)より

2023年2月26日に発見された小惑星「2023 DW」が、2046年2月14日(日本時間15日)に地球へ衝突する可能性がわずかにあるとして話題になっています。地球に衝突する確率は、NASA(アメリカ航空宇宙局)によると560分の1、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると625分の1とされています。

JPL Solar System Dynamicsより
JPL Solar System Dynamicsより

この画像は2023 DWの軌道(白)です。2023 DWの大きさは50mほどで、約271日で太陽を公転しています。近日点(太陽に最も近づく点)は0.495天文単位、遠日点(太陽から最も遠ざかる点)は1.145天文単位です(1天文単位は太陽〜地球間に相当する距離で約1億5000万km)。金星の太陽からの距離は0.72天文単位ですから、近日点は金星の公転軌道の内側になります。

地球近傍小惑星の危険度を示す指標として「トリノスケール」があります。これは1999年にIAU(国際天文学連合)によって採用されたもので、危険度に応じて「0」から「10」まで分類されています。「0」は衝突の可能性がゼロ(あるいは事実上ゼロ)、「10」は衝突が確実で地球規模の大惨事を引き起こす可能性がある天体が分類されます。

ESAのリスクリスト(衝突可能性がゼロでない天体のリスト)には、記事作成時点で1449個の小天体が記載されていますが、2023 DWは唯一、トリノスケールが「1」に分類されています(他の天体はすべて「0」)。トリノスケール「1」に分類される天体は、衝突の可能性が非常に低く、今後の観測によって「0」に再分類される可能性が非常に高いものです。

NASAのPlanetary Defense Coordination Officeはツイッターで、「新たに天体が発見されたとき、不確実性を減らして数年先の軌道を適切に予測するには、数週間の観測データが必要になることが多い。2023 DWの監視を引き続き行い、データの取得に伴って予測を更新する予定」とコメントしています。

(参照)CNEOSnear-earth objects coordination centre