これらの画像には、地球と木星それぞれで見られる渦が映っています。発生している場所もスケールも全く違いますが、非常によく似た形をしています。
上の画像は、左が地球のノルウェー海で見られた植物プランクトンのプルーム(大増殖)です。地球の海にはさまざまな大きさの渦が存在しています。ふだんは見えにくいのですが、植物プランクトンが大発生すると渦の形が目に見えるようになることがあります。一方、右は木星大気の渦を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーがとらえたものです。
こちらは左が地球のバルト海のボスニア湾南部の植物プランクトンをとらえた画像で、右が木星大気をジュノー探査機がとらえた画像です。こちらも非常によく似ています。
カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス研究所の海洋物理学者Lia Siegelman氏は、木星の極にある低気圧が、以前研究した海洋の渦と似ていることに気づき、その後、木星大気の力学を研究することにしたそうです。
木星のエネルギーシステムは地球と比べてはるかに大きなスケールですが、木星大気の力学の理解は、地球で起きている物理的なメカニズムを理解することにつながる可能性があります。
Image Credit:(1枚目)Image data: NASA OBPG OB.DAAC/GSFC/Aqua/MODIS Image processing: Gerald Eichstädt CC BY (2枚目)Left: NASA OBPG OB.DAAC/GSFC/Aqua/MODIS, Processed by Gerald Eichstädt Right: NASA/JPL/SwRI/MSSS, Processed by Gerald Eichstädt