地球のように自転軸が傾いている惑星では、より複雑な生命へと進化する可能性が高いとする研究成果が発表されました。
1992年以来、多数の太陽系外惑星が見つかっています。系外惑星で生命が存在するには、液体の水が存在できる「ハビタブルゾーン(ゴルディロックスゾーン)」に位置していることが重要と考えられています。ただしより複雑な生命を維持するには、そのほかの要素、特に大気中の酸素が重要だと考えられています。
アメリカ、パデュー大学のStephanie Olson氏らは、酸素を作り出す地球上の生命体に必要な条件についてのモデルを作成しました。このモデルには昼の長さや大気の量、陸地の分布、自転軸の傾きなどの要素が含まれています。条件の変化によって、光合成生物が作り出す酸素の量がどのように変化するのかを示すことができます。
モデルによると、昼の長さの増加や表面気圧の上昇、大陸の出現などが、海の循環パターンなどに影響を与え、酸素生成量を増加させる可能性があることが分かったとのことです。また惑星が適度に傾いていることにより、惑星が酸素を含んだ大気を形成する可能性が高まることも分かったといいます。シカゴ大学のMegan Barnett氏は、「傾きが大きくなると、海洋での光合成による酸素の生産量が増加しました。この効果は、生命を養う栄養の量が2倍になったのと同様です」と述べています。
今回の研究は、太陽系外惑星でのハビタビリティ(居住可能性)を評価する際に役立つだけでなく、さらなる研究のためのターゲットとなる系外惑星を特定するのにも役立つと見られています。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech