遠く離れた36の矮小銀河で同時に新たな星の「ベビーブーム」が起きていた

それぞれが100万光年以上離れた銀河では、新しい星の誕生時期が完全に独立して起きるのが当然のように思われます。しかしアメリカ、ラトガース大学のCharlotte Olsen氏らの研究によると、1300万光年までの距離にある36の矮小銀河で、星の形成率が同時に遅くなった後で同時に加速したことが明らかになったとのことです。「好景気がベビーブームを後押しするのと同様に、大規模な環境変化に銀河たちが反応しているかのようです」とOlsen氏は述べています。

36個の矮小銀河での星形成率の減少は60億年前に同時に始まり、その後、星形成率の増加が30億年前に同時に始まりました。星形成は銀河進化に影響する基本的なプロセスの一つです。銀河が衝突したり相互作用したりしたときに星の形成率は増加し、星を作るためのガスが失われると銀河は新しい星の形成をストップします。

星形成の歴史は銀河が成長してきた環境の状態を記録しています。矮小銀河は宇宙で最も一般なものですが、質量が非常に小さい銀河であり、周囲の環境の影響を特に受けやすい銀河です。

今回の36の矮小銀河はさまざまな環境にあります。銀河が反応した環境の変化は、遠く離れた銀河に燃料を分配する何かであるにちがいありません。それは巨大なガス雲に遭遇したか、あるいは私たちがまだ知らない宇宙の現象なのかもしれないとOlsen氏は言います。10月に打ち上げが予定されているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、この「ベビーブーム」がどこまで広がっているのかを調べるための新たなデータを追加できるだろうとのことです。

Image Credit: Credit: Charlotte Olsen

(参照)Rutgers University