
画像に映っているのは、南米チリのセロ・パチョン山の山頂に建設されたベラ・C・ルービン天文台です。空には天の川が斜めに流れています。
天文台のすぐ上にはオリオン座が横倒しになってみえています。その上に明るく輝いているのは、おおいぬ座の1等星シリウスです。画像左側には大マゼラン銀河が映っており、その右にはりゅうこつ座の1等星カノープスが明るく輝いています。
10年間で約1000万個の超新星発見を予想
ルービン天文台に設置されている口径8.4mの光学赤外線望遠鏡には、32億画素の史上最大のデジタルカメラ「LSSTカメラ」が搭載されています。8m級の望遠鏡としては最大の視野があり、満月45個分の範囲を一度に観測できます。3夜で南天の空全体をとらえることができます。
2025年4月に試験観測(ファーストライト)に成功したルービン天文台では、2025年後半から「時空間レガシーサーベイ(Legacy Survey of Space and Time: LSST)」をスタートします。このプロジェクトでは、10年間にわたり南半球の空全体を繰り返し撮影します。ダークマターやダークエネルギーの謎に迫るほか、天の川のマッピングも行います。
またルービン天文台では、時間の経過とともに明るさが変わる天体(超新星爆発や変光星など)なども新たに発見・観測されると期待されています。例えば今後10年間で、約1000万個の超新星がとらえられると予想されています。
画像は、NOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2025年10月15日に「Images of the Week」として公開されたものです。
(参考)
史上最大のデジタルカメラでとらえた干潟星雲と三裂星雲 ルービン天文台が初画像を公開
32億画像のデジタルカメラでとらえた「おとめ座銀河団」超精細画像 ルービン天文台が試験観測で撮影
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Image Credit: RubinObs/NOIRLab/SLAC/NSF/DOE/AURA/P. Horálek (Institute of Physics in Opava)
(参照)NOIRLab