月の起源については、約45億年前に火星サイズの天体が地球に衝突し、その破片をもとに月ができたとする「ジャイアントインパクト(巨大衝突)説」が有力です。この動画は、月を形成した衝突を再現したシミュレーションです。火星サイズの衝突体が、地球のようなターゲットに45度の角度でかすめるように衝突した様子が再現されています。
イギリスのダラム大学、NASA(アメリカ航空宇宙局)エイムズ研究センターの研究者らは、このような衝突によって地球の大気がどれくらい失われるかを予測する手法の開発のために300以上のシミュレーションを行いました。動画はそのシミュレーションの一例です。
研究チームは、衝突の速度や角度、天体の組成などを変えてシミュレーションを行いました。その結果、シナリオによっては、地球大気の10〜60%が月を形成した衝突で失われた可能性があることが示されました。また衝突体に大気があれば、惑星に大気を追加しうる場合があることも示されました。
Credits: Jacob Kegerreis/Durham University