DARTの小惑星衝突を目撃せよ! DARTから放出されたキューブサット「LICIAcube」 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

DARTの小惑星衝突を目撃せよ! DARTから放出されたキューブサット「LICIAcube」

小惑星の軌道を変える技術の実証実験を行うNASA(アメリカ航空宇宙局)のDART(Double Asteroid Redirection Test、二重小惑星方向転換試験機)は、2022年9月26日に小惑星ディディモスのまわりを回るディモルフォスに衝突する予定です。それに先立つ9月11日、小型衛星LICIAcube(Light Italian CubeSat for Imaging Asteroids)がDARTから放出されました。

スポンサーリンク

重量14kg、6Uのキューブサットが2台のカメラで衝突を観測

打ち上げ前に検査中のLICIAcube。太陽電池パネルが見えています。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Ed Whitman
打ち上げ前に検査中のLICIAcube。太陽電池パネルが見えています。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Ed Whitman
DARTに取り付けられるLICIAcube。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Ed Whitman

LICIAcubeはイタリアの航空宇宙企業アルゴテックが設計・開発し、イタリア宇宙機関(ASI)が管理するキューブサットです。キューブサットは10×10×10cmを1ユニット(1U)として規格化されていますが、LICIAcubeは6Uの衛星です。重量は14kg。

DART本体にもカメラは搭載されていますが、DART自体はディモルフォスに衝突するため、衝突のようすや衝突後の小惑星を観測することはできません。LICIAcubeの主な役割は、それらを撮影することです。

LICIAcubeには、「LEIA(LICIACube Explorer Imaging for Asteroid)」と「LUKE(LICIACube Unit Key Explorer)」という2台のカメラが搭載されています。LEIAは遠距離から高分解能で画像を取得するための狭角カメラ、LUKEは広視野RGBカメラで小惑星環境のマルチカラー分析を行うことができます。

LICIAcubeの目的は、まずディモルフォスへのDARTの衝突を観測することです。また衝突によって飛び出す破片や衝突場所、衝突とは反対側の半球の観測なども行います。それらの観測を行うため、LICIAcubeはDARTから約3分遅れでディモルフォスを通過することになっています。

ディモルフォスに近づくDARTとLICIAcube(右下)の想像図。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben
ディモルフォスに近づくDARTとLICIAcube(右下)の想像図。Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben

(参照)NASAASI