この画像に映っているのは、しし座の方向、約3100万光年の距離にある棒渦巻銀河NGC 3627(M66)です。渦状腕から噴き出す炎のようにも見える赤い部分は、星を作る材料となる低温の塵で、南米チリにあるアルマ望遠鏡が電波でとらえたものです。背景の青みがかった画像は、同じくチリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に設置された超広視野面分光装置MUSEを使って撮影されました。
NGC 3627は、「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプロジェクトの一環で撮影された多くの銀河のうちの1つです。PHANGSでは、さまざまな波長の望遠鏡を用いて近傍銀河を高解像度で観測しています。異なる波長で観測することで、銀河のさまざまな秘密が明らかになるのです。それらを比較して、星の形成を促進したり阻害したりするものが何なのかを研究することができます。
画像は2022年12月12日に公開された、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
(参考記事)ESOのVLTでとらえた棒渦巻銀河NGC 3627での電離したガスの分布
Image Credit: ESO/PHANGS
(参照)ESO