
この画像には、ろくぶんぎ座にある「COSMOS-Webフィールド」と呼ばれる領域が映っています。画像は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)とハッブル宇宙望遠鏡の観測データを組み合わせたものです。私たちの天の川銀河の星から、数十億光年離れた銀河まで、さまざまな距離にわたる天体が映し出されています。放射状に光のすじが伸びているのが天の川銀河に属する星です。
画像中央下には、宇宙が65億歳だった頃の銀河群が見えています。宇宙にある銀河の半分以上は、そのような銀河群に属しています。ここに映っている銀河群は、COSMOS-Webフィールドの中でも最も大質量の銀河群です。
画像には渦巻銀河や楕円銀河、また相互作用や合体により奇妙な形になった銀河など、さまざまな銀河が映っています。赤みを帯びた銀河が多く見られますが、それらは古い星が多く存在している銀河や、距離が遠い銀河などです。
「COSMOS」は「Cosmic Evolution Survey」の略で、ウェッブ望遠鏡、ハッブル望遠鏡、XMM-Newton宇宙望遠鏡など複数の望遠鏡が協力して夜空の特定の領域を深く観測しています。
COSMOS-Webは、NIRCamの4つのフィルタを用いて、COSMOSフィールドの0.54平方度(満月3個分の2.5倍強の範囲)をマッピングする観測プログラムです。宇宙の再電離の時期を探ることなどを目的としています。

こちらの画像は、冒頭の画像にXMM-NewtonやチャンドラX線望遠鏡のX線データ(紫)を重ね合わせたものです。紫色は、銀河群内にある高温ガスを示しています。
ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2025年4月29日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。オリジナル画像は1万2882×1万2882ピクセルもある巨大な画像です。
(参考)「ウェッブ望遠鏡Picture of the Month」記事一覧
(参考)まるで宇宙の宝石箱!? すばる望遠鏡がとらえた「COSMOSフィールド」
Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, G. Gozaliasl, A. Koekemoer, M. Franco, and the COSMOS-Web team
(参照)ESA/Webb