白色矮星の大気中に、地球のような地殻を持つ惑星の痕跡を発見したとする研究が発表されました。イギリス、ウォーリック大学を中心とした研究チームによる研究です。
研究チームは多くの白色矮星の分光データから、リチウムやカリウムを含んでいる4個の白色矮星を見つけました。リチウムやカリウムの量を、検出したナトリウムやカルシウムなど他の元素と比較することで、地球や火星のような岩石惑星の地殻の化学組成と元素の割合が一致していることが分かりました。
白色矮星の外層には最大30万ギガトンの岩石由来のガスが含まれており、そこには最大60ギガトンのリチウムと3000ギガトンのカリウムが含まれているとのことです。それは地球の地殻と同じ密度の60kmの球体に相当します。検出された地殻物質の量は、太陽系に存在する小惑星の質量と似ていることから、惑星全体というよりは、惑星の破片であると見られています。
これまでの白色矮星の観測では、惑星の内核やマントルの物質の証拠は見つかっていますが、地殻物質の決定的な証拠は見つかっていません。地殻は惑星の質量のごく一部であり、今回検出された元素は星が非常に低温のときにしか検出されません。白色矮星では核融合反応が起きておらず冷え続けています。4個の白色矮星は100億年前までに燃料を使い果たしたと見られており、天の川銀河の中で形成された最も古い白色矮星である可能性があります。
これらの最も古い白色矮星の中には、平均より70%質量が大きなものがあります。そのような大質量の白色矮星では、大気中の物質が比較的早く消えてしまいます。そこで今回の研究では、周囲のデブリ円盤から地殻物質を補充していると結論づけています。さらに、白色矮星のみの場合に予想されるよりも多くの赤外線が検出されました。これは星によって温められた円盤が赤外線を放射していることを示しているとのことです。