NASA(アメリカ航空宇宙局)とNSIDC(アメリカ国立雪氷データセンター)が行った衛星データの分析によると、2020年の北極の海氷域面積は9月15日に最小になったとみられます。最小面積は374万km2でした。これは北極海氷域の衛星観測を開始して以降、2012年に次いで2番目に小さな面積で、400万km2を下回ったのも2度目です。
冒頭の画像は、2020年の北極域の海氷域が最小になった9月15日のようすを示したものです。赤い線は30年間の平均を示しています。
北極の海氷は晩春から夏にかけて薄く小さくなり、秋から冬にかけて厚く広くなります。2020年は春のシベリア熱波の影響で海氷の融解時期は早くから始まりました。また北極の気温は平均より8〜10℃も高く、海氷面積は縮小を続けています。2020年の最小面積は、1981〜2010年の最小面積の平均より248万km2も下回りました。
Image Credit: NASA's Scientific Visualization Studio、The Blue Marble data is courtesy of Reto Stockli (NASA/GSFC).、AMSR2 data courtesy of the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA).